2008年8月24日(日)「しんぶん赤旗」

三沢米軍機 アフガン空爆

「イラン攻撃準備」の指摘も


 イラクに派遣されていた米軍三沢基地(青森県)のF16戦闘機が昨年八月、アフガニスタン東部の反政府武装勢力タリバンの拠点を空爆するという秘密任務を遂行していたことが分かりました。これまで試みたことのない長時間飛行だったとされ、米国の軍事専門家からは、核開発を進めるイランへの攻撃準備の可能性も指摘されています。

 三沢基地のホームページによると、同基地のF16戦闘機部隊(第三五戦闘航空団第一三飛行中隊)は当時、航空遠征軍としてイラクのバラド航空基地に展開していました。同部隊の四機は昨年八月十二日、二千百マイル(約三千三百八十キロ)離れたアフガン東部まで長距離遠征し、夜間にタリバンの拠点に対し精密誘導爆弾を十二発以上発射。同拠点への地上部隊による襲撃を可能にしました。

 十一時間のノンストップ飛行で、六カ国の上空を通過し、空中給油は十三回。米大陸東海岸のニューヨークと西海岸のロサンゼルスとの間を往復したのに匹敵する距離だとしています。米空軍は昨年の「最も称賛に値する飛行」として表彰しています。

 米国の軍事専門家であるウィリアム・アーキン氏は、米紙ワシントン・ポストのホームページに「アフガンでの秘密任務はイランとの戦争を準備」と題する記事を寄稿。米軍は先制攻撃のために「グローバル・ストライク(全地球規模での長距離打撃)」というシステムを開発しており、今回の秘密任務はイランへの奇襲攻撃を実行する米軍の能力を示すものだと指摘しています。

 三沢のF16部隊は、イラクでも地上部隊の作戦支援を任務にしてきました。これは敵の防空網の破壊を主任務にしてきた同部隊に「対テロ」任務を新たに加えるものでした。今回の秘密任務はさらに、三沢のF16部隊が作戦範囲を大きく広げ、「グローバル・ストライク」の役割も担っていることを示すものです。


殺人容疑の空母乗員釈放

 二十二日の米軍準機関紙「星条旗」(電子版)によれば、米海軍横須賀基地に来月下旬配備が計画されている米原子力空母ジョージ・ワシントンの乗組員=二等海曹=が殺人容疑などにより逮捕された事件で、米海軍報道官は、その後の捜査の結果、この乗員は釈放され、訴追手続きが取られなかったと発表しました。

 この乗組員はカリフォルニア州サンディエゴ郊外で十六日、一緒にいた別の部隊の米兵が口論相手二人に発砲、一人が死亡、一人が負傷したために逮捕されていました。同紙によれば、海軍側は「警察は容疑者ではなく、事件の目撃者として扱う」としていますが、地方検察局は容疑者か目撃者かはいえないとしています。



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