2008年8月23日(土)「しんぶん赤旗」
「荒れる学級」の克服
親と教師が悩み共有
「教育のつどい」分科会始まる
京都市内で開かれている「みんなで二十一世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2008」二日目の二十二日、二十八の分科会での討論が始まりました。
「学校づくりへの子どもの参加、父母・教職員・地域の共同」分科会では、子どもたちと必死に向き合う中で保護者との共同が生まれた、小学校教師の実践が報告されました。
山口県の女性教師(38)は、五年生の担任でした。子どもがうろうろ歩き回り、大声でわめき、ボールを黒板にぶつけるなど「嵐の学級開き」で新年度がスタート。せっかくの楽しい企画もムチャクチャにされ、一週間で早くもヘトヘトでした。
「『我慢してがんばらなくちゃ』と思ってたのに、数日後の保護者会で思いが弾けてバーッとしゃべっちゃったんです」。親は担任を責めるどころか「先生よく言ってくれた。私たちにできることがあれば協力させてください」と受け止めてくれました。
都合がつく限り夫婦で授業に入ってくれた親もいました。月一回の茶話会で子どもの様子を共有。臨時保護者会では親が進行役を務めました。
クラスがしだいにまとまって、落ちついてきました。六年生を送る卒業式の準備も積極的に取り組みました。
学校への不信感が強かった親も、周囲の一生懸命な姿を知り懇談会に顔を出すように。担任の持ち上がりが決まった時は「先生、うれし〜」と電話をかけてきてくれました。
「この一言が本当にうれしくて、一年の疲れが吹っ飛んだ。『しんどいんです』と言ったら周りがつながってくれたんです。親や周りの教師とつながりながら、みんなで子どもたちを見守っていこうという輪ができました。ドタドタバタバタの毎日ですが、私はとても充実しています」と、率直に悩みを出し合って共同していくことの大切さを語りました。
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