2008年8月21日(木)「しんぶん赤旗」
裁判員制度「予定通りに」
日弁連が会長名の声明
来年五月に実施予定の裁判員制度について実施延期を求める動きが出ていることを受け、日本弁護士連合会は二十日、「刑事事件を担ってきた立場から、また、国民の司法参加を願ってきた立場から、予定通り実施を求める」とする宮崎誠会長名の緊急声明を発表しました。
声明は、事前のアンケートで裁判員に参加することに不安を感じている市民が多いことを指摘しつつ、「問題のある刑事裁判を良くするために是非ともご参加をいただきたい」としています。
また現行の裁判員制度に改善すべき点がないというわけではないとしながら、「実施することによって、改善すべき点は改善し、また、取調状況の録画化をさらに広げたり、調書裁判の弊害や人質司法の弊害を改善する動きを進めていくことが大切」としています。
共産党は延期主張
この問題で、日本共産党は制度実施の延期を求めています。市田忠義書記局長は今月七日の会見で、裁判員制度に対する国民の合意が得られていないことを指摘。このまま制度を実施するなら、「司法制度の民主化と国民の裁判参加という制度の前向きの方向に逆行する重大な矛盾に直面する」と強調しました。
また、安心して裁判員になる条件が整っていないことや冤罪(えんざい)を防ぐ環境整備の進んでいないことも挙げ、実施延期を呼びかけました。