2008年8月18日(月)「しんぶん赤旗」
米一極支配終わった
「新秩序」訴え
トルコ大統領
【ロンドン=岡崎衆史】トルコのギュル大統領は、英紙ガーディアン十六日付のインタビューで、米国による一極支配はもはや不可能だとし、多国間協調による新しい世界秩序づくりを求めました。
ギュル大統領は、「一極からすべての世界を支配することはできない」「私たちがなすべきことは、単独行動ではなく、共同で行動、決定し、世界で話し合うことだ。新しい世界秩序が誕生しなければならない」と述べました。
大統領はまた、核開発問題を理由にイランへの制裁強化を求め、同国の孤立化を招こうとする米国やイスラエルの立場を拒否する立場を表明しました。
「核兵器、イラク、コーカサス、アフガニスタンなど多くの重要な問題がある」「イランは間違いなくこれらの問題に影響力を持っており、だからこそ私たちは話し合う」と述べ、イラン核問題の外交解決と、地域の安全保障上の懸念事項について、イランとの話し合いを重視するよう訴えました。
米国がイランへの武力行使の可能性を排除していないことについては、「イラクで起きたことから教訓を導かなければならない」「外交解決は常に、武力解決よりもよい」と強調しました。
ギュル大統領が外国の新聞と単独インタビューしたのは初めて。インタビューは、ロシアとグルジアの軍事紛争を踏まえて行われました。