2008年8月17日(日)「しんぶん赤旗」
韓国で100回目のデモ
米産牛肉輸入再開に抗議
【ソウル=中村圭吾】ソウル市内で十五日、米国産牛肉の輸入再開に抗議する百回目のデモが行われました。市民団体などが主催。主催者発表で一万二千人(警察発表、五千人)が参加しました。
主催者団体によると当初は、ソウル市庁前広場で集会を開く予定でしたが、警察が装甲車で包囲し封鎖したため、場所を変えて開催。市内で「光復節(日本の植民地支配からの解放記念日)」を祝う集会を開いていた労働組合、学生団体などが合流しました。
集会参加者らは、米国との交渉のやり直しを要求。抗議デモを好意的に報道していた公営放送KBSの鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)前社長が解任されたことについても「言論弾圧だ」などと批判しました。
警察は、一万六千人を動員。午後八時ごろ、機動隊を投入し、強制的に解散させました。この過程で、約百六十人が連行されました。
米国産牛肉の輸入再開に反対する抗議デモは四月末から続いており、最大時には七十万人を動員しました。これまでに市民数百人が連行されました。
主催者団体では、デモが長期化していることや、国内で実際に米国産牛肉が流通し始めたことを受け、今後は、大規模な街頭集会ではなく、不買運動や流通阻止運動に重点を置くべきだという意見が強まっています。