2008年8月17日(日)「しんぶん赤旗」
「核兵器廃絶」米民主党盛る
政策綱領案
【ワシントン=西村央】米民主党は十五日、今月二十五日に開幕する全国党大会で採択予定の政策綱領案をまとめ、公表しました。それによると、大量破壊兵器の使用や拡散をふせぐ項目のなかで、「世界の核兵器廃絶という目標を、米国の核兵器政策の中心課題とする」ことを明記しました。
政策綱領案では、テロリストが核兵器やその製造のための物質を入手する危険に直面しているとし、キッシンジャー元国務長官らが警告を発しているように現在の政策ではこれらの脅威にとりくむには十分ではないと指摘。核兵器が存在する限り、抑止政策は続けるとしつつ「核兵器依存をやめ、それらを究極的に廃絶していく世界のなかでこそ、米国はより安全になる」とし、核兵器依存からの脱却の方向を示しました。
究極的核廃絶は、党大会で大統領候補に正式指名されるオバマ上院議員の持論。七月にも公開討論会でオバマ氏は「米国は、核兵器のない世界をめざす」と言明していました。
民主党が核兵器廃絶を掲げるのは初めて。新型核兵器の開発を進め、国連総会で核廃絶決議のすべてに反対票を投じてきたブッシュ政権の核政策からの大きな転換になります。
政策綱領案ではこうした目標実現に向けて、核分裂性物質の製造禁止に向けた交渉に踏み切ることや、ロシアや他の核保有国とともに、徹底した、検証可能な核兵器削減にとりくむことを掲げました。
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