2008年8月15日(金)「しんぶん赤旗」
後期医療
例ない高齢者いじめ
東京・巣鴨 廃止求め宣伝・署名
後期高齢者医療制度が実施されて三度目の年金からの保険料天引きが十五日に行われるのを前に、全国老後保障地域団体連絡会(老地連)などが十四日、東京・巣鴨の地蔵通り商店街で署名と宣伝を行いました。
二十人の参加者は、同制度廃止法案の衆議院での早期可決を求める署名を通行人に呼びかけ。「世界に例のないお年寄りを別にした制度をやめさせようの声を、臨時国会に届けていこう」と訴えました。
縁日でにぎわう中、トランペッターの松平晃さん(66)の演奏が注目を集めました。九十歳の母親と署名に応じた板橋区の女性(63)は「月三万円ほどの低い年金から天引きする不自然さ。一緒に暮らしているからまだいいけど、おばあちゃん一人では暮らせない。そりゃ廃止してほしい」と話します。
「新しい制度になって保険料があがった」という、さいたま市中央区の自営業の女性(79)は「八十近くになっても働かなきゃやっていけない年金の低さ。年金が年六十数万円で今月は保険料を二万二千六百円払わなきゃ」とため息をつきます。
家族の病気回復の願掛けに来た川崎市幸区の女性(80)は「署名して少しでも負担がなくなるようにしてほしい。年金は減っていくけど徴収されるのは増える一方。冠婚葬祭で急な出費があると、食べるの減らして捻出(ねんしゅつ)しています。保険料で引かれる二カ月分八千円は大きい。この額なら何日も食べていけるのに」と話していました。
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