2008年8月12日(火)「しんぶん赤旗」
全国学力テスト
結果公開は過度の競争招く
鳥取県、非公開を決定
全国学力テスト市町村・学校別結果の開示か非開示かに揺れる鳥取県教育委員会の臨時教育委員会が十一日開かれ、開示を主張する中永広樹教育長を除く五人の教育委員が非開示の立場を取り、非開示を決定しました。
同教委の山田修平委員長は、非開示理由として、▽子どもたちの心情に教育的配慮が必要▽開示により過度な競争が生じる恐れが否定できない▽学力テストは非公開を前提に実施した―を挙げました。
県教委が実施した県民からの意見募集では、寄せられた二百五十四件中、非開示が二百三十八件、開示が十五件で、非開示の理由は「序列化や過度な競争が生じる」「義務教育に競争原理はなじまない」などでした。
県教委にはこれまで、県小・中学校長会、県教職員組合、県市町村教育委員会研究協議会や全国連合小学校長会などから開示しないよう求める要望が届けられていました。
傍聴した新婦人県本部の田村真弓事務局長は「非開示を決めたことは評価できます。決め手は、非開示の約束で文科省が実施したのを開示しては、子どもたちの信頼を裏切ることになるということでした。国会論戦で文科大臣に非開示を約束させたことが大きかったと思います。これは学力テストの矛盾が現れた問題で、学力テスト自体が序列化と競争をもちこむもので、きっぱりとやめるべきです」と話しました。