2008年8月10日(日)「しんぶん赤旗」
自民党内議論でも
「全国学力テストは不要」
「全国いっせい学力テストは、税金の無駄遣いであり、今のままなら不要」――自民党内の議論で、こんな声があがってきました。
全国いっせい学力テストは、二〇〇六年度に準備事業として二十一億円、〇七年度に六十億円、〇八年度に六十二億円をかけ、全国の小学六年生、中学三年生の全児童生徒(約二百三十万人)を対象に実施されました。このテストは改悪教育基本法の具体化の大きな柱とされ、政府は今後も毎年実施を継続するとしています。
自民党「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」(座長・園田博之衆院議員)が四、五両日、シンクタンク「構想日本」と協力し、学力テストを含む文部科学省の二十八事業について「そもそも必要か」「すべきことを行っているか」「だれがやるべきか」との観点から検討し、評価しました。自民党国会議員などが評価者として参加しました。
当日、座長を務めた河野太郎衆院議員のホームページによると、同テストについて、評価者からは「なぜ全員に対する調査で毎年やらなければならないのか。例えば五年に一度の試験として、その間はサンプル調査として経年変化を追ったらどうか」「サンプル調査にしてコスト縮減すべき。各児童生徒の学力は、各校や各自治体レベルで把握すれば十分だ」などの意見が出されました。評価者十三人のうち九人までが「今のままなら不要」とし、「国が継続すべきだ」は四人でした。
日本共産党は、同テストについて、学校現場を点数競争に駆り立てる問題点を一貫して批判するとともに、多額の税金を使う点についても「無駄遣いの典型だ」と指摘し、中止を求めてきました。
内部からも同様の指摘が出ているなか、引き続き継続するのかどうか、与党の姿勢が問われます。(坂井希)
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