2008年8月8日(金)「しんぶん赤旗」
麻生氏 金集め
企業・団体などから1年で3億円
「国民の目線」は可能?
「安心実現内閣」とみずからの改造を名付けた福田康夫首相が、支持率挽回(ばんかい)の切り札として自民党幹事長に起用した麻生太郎元外相(衆院福岡8区)。当人も「物価高を解決」などといっていますが、麻生氏は、二〇〇六年の一年間で、企業や団体などから三億円を超すカネ集めをしていることがわかりました。これで「国民の目線」は可能?
本紙が調べたのは、麻生氏が代表を務める政党支部や、麻生氏の資金管理団体「素淮(そわい)会」などおもな政治団体の政治資金収支報告書(〇六年)です。
一九九〇年代、相次ぐ金権・腐敗事件への批判の高まりのなかで、〇一年一月から、企業・団体献金は政治家個人に対しては、禁止されました。ところが、自民党などは、政治家が支部長となった政党支部は「ОK」という抜け道をつくり、企業・団体献金を引き続き集めています。
麻生氏は、支部長を務める「自民党福岡県第八選挙区支部」だけでなく、二つ目の政党支部を持ち、企業・団体献金を集めています。
この政党支部は、「自民党福岡県窯業支部」で、「第八選挙区支部」とともに、福岡県飯塚市吉原町の麻生太郎筑豊事務所内に同居しています。「窯業支部」の会計責任者は、「第八選挙区支部」の事務担当者と同一人物です。
麻生氏は、二つの政党支部で、あわせて九千万円近い企業・団体献金を集めています。
「素淮会」は、東京都内のホテルで「政経セミナー」という資金集めパーティーを開催、一晩で八千万円以上を稼いでいます。また、「麻生太郎先生を囲む会」(大阪府岸和田市)、「中国素淮会」(広島県呉市)、「東海素淮会」(名古屋市)などの地方後援組織からの「上納」が三千六百七十万円も。
二つの政党支部と同一場所にある「九州素淮会」も、「政経文化セミナー」を開催、わずか二百五十万円たらずの開催費で、六千八百万円の収入です。
「第八選挙区支部」への自民党本部からの寄付は、国民の税金である政党助成金です。
これら、麻生氏のおもな政治団体の集金力は、判明しただけで三億円を超しています。
|