2008年8月8日(金)「しんぶん赤旗」

景気判断を下方修正

「回復」消え「弱含み」に

月例経済報告


 政府は景気判断を「回復は足踏み」から「弱含み」に下方修正しました。与謝野馨経済財政担当相が七日、関係閣僚会議に八月の月例経済報告を提出し、了承されました。報告は「景気は、このところ弱含んでいる」とし、「回復」という表現が四年八カ月ぶりに消えました。政府としても、二〇〇二年二月に始まったとする戦後最長の「景気回復」が終わり、景気後退局面に入った可能性があるとの判断を示しました。

 先行きについても、「当面、弱い動きが続くとみられる」と指摘。米国経済、株式・為替市場、原油価格の動向などによっては「景気がさらに下振れするリスクが存在する」と厳しい認識を示しています。

 景気を判断する個別項目では、雇用情勢を先月の「改善に足踏み」から「このところ弱含んでいる」に下方修正。生産を「このところ弱含んでいる」から「緩やかに減少」、輸出を「このところ弱含んでいる」から「弱含んでいる」、住宅建設を「このところ横ばい」から「おおむね横ばい」にそれぞれ下方修正しました。個人消費は「おおむね横ばい」と判断を据え置きましたが、消費者心理は悪化し、所得は弱含んでいるとしています。

 “企業の好調さが家計に波及する”という政府のシナリオの破たんは政府の白書も認めるところ。大企業の業績に陰りがではじめ、あわてて政府・与党は「経済対策」をまとめようとしています。経済政策の軸足を従来の大企業応援ではなく、家計応援に転換することの重要性が、ますます明らかになっています。


月例経済報告 景気判断の推移

02年3月 一部に下げ止まりの兆し
政府は後に、2月から「景気拡大」局面に入ったと判断

04年1月 着実に回復している
これ以降、「回復」の表現が続く

07年12月 (先行きは)企業部門が底堅く推移
前月までの「企業部門の好調さが家計部門へ波及」の表現が消える

08年3月 景気回復は、このところ足踏み状態
政府は景気は「踊り場」と判断

8月 景気は、このところ弱含んでいる
「回復」の表現が消える



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