2008年8月7日(木)「しんぶん赤旗」

核廃絶へ世界が連帯

各地でヒロシマデー行動


被爆者の体験聞く

ワシントン

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(写真)広島原爆投下の時間に合わせて黙とうする記念集会の参加者=5日、ワシントン(鎌塚由美撮影)

 【ワシントン=鎌塚由美】米国の首都ワシントン中心部で五日夜、広島への原爆投下の時間に合わせて記念集会が開かれました。日本からの被爆者二人が参加、被爆体験を語り、核兵器廃絶を訴えました。ワシントンの「ヒロシマ・ナガサキ平和委員会」が行うこの集会は今年で二十七年目。約六十人が参加しました。

 被団協を代表し、「日本の被爆者からアメリカ市民へ」と題された核兵器廃絶と連帯のメッセージを携えて訪米した二人の被爆者があいさつ。

 広島の爆心地から二キロで被爆した男性は、原爆は一瞬にして二十一万人以上の命を奪っただけでなく、五年後には広島の人口の57%、長崎の人口の37%に相当する人々が殺された虐殺だったと指摘。二度と被爆者をつくらせない、との思いから体験を語り続ける決意を表明しました。

 長崎で被爆した女性は、被爆して亡くなった五十二人の同級生に言及。「私の後ろに立ち、二度と核兵器をつくるな、と私と一緒に訴えていると思います」と語りました。

 集会が開かれたのは第二次世界大戦記念碑の前。ワシントン平和センターのジェイ・マルクスさんは、祖父が第二次世界大戦の戦死者でこの碑に記念される一人だと紹介。「祖父は戦争を決して繰り返してはならないと求めているはず」と語り、「核兵器の廃絶だけでなく、すべての戦争の廃絶を実現しよう」と呼びかけました。

平和願う歌声響く

ニューヨーク

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(写真)5日、「にんげんをかえせ」を歌う横井久美子さん=ニューヨーク(西村央撮影)

 【ニューヨーク=西村央】ニューヨーク市マンハッタンにある寺院で、六十三年前、広島に原爆が投下された時刻に合わせ五日午後七時十五分、平和を願う鐘が響き渡りました。ニューヨーク仏教会とリバーサイド教会が共催した「世界平和デー」のとりくみで、横井久美子さんら日本の歌手による歌声も響きわたりました。

 このとりくみは宗教者を中心に広まってきたもので、日米の平和の草の根の活動家や被爆者も参加し、ニューヨーク仏教会前には約百五十人が集いました。

 広島、長崎からのメッセージが紹介され、「これ以上、原爆で苦しむ人を出してはならない。核兵器の廃絶こそ市民を守る確かな保証」「核廃絶に向け、世代と国境を超えた平和を願う人の連帯が必要」との訴えに、参加者は拍手でこたえました。

 三人の日本人歌手が平和への願いを込めて熱唱。横井久美子さんは「にんげんをかえせ」を英語と日本語で歌い、ともに広島出身の神園さやかさんと原田真二さんは、それぞれ「翼をください」「ユーアー・マイ・イーナジー」を歌い上げました。

 日本から参加した相模原市の女性(59)は、「私は昨年、一昨年と広島の世界大会に参加しましたが、日本と同じ時間にニューヨークでこうした集いがあるのは感慨深いものがあります。アメリカ人もたくさん参加していますし、そういう人がいることを知っただけでも意味があった」と語っていました。

「核なくそう」とデモ

豪シドニー

 オーストラリアのシドニーでは二日、約百人の市民が「ヒロシマ・デー」行動に参加しました。参加者は市役所前で集会を開いた後、「ヒロシマを繰り返すな」、「核戦争はごめんだ」、「世界から核兵器をなくそう」、「イラク戦争反対」「イランを攻撃するな」と訴えるプラカードや横断幕を掲げ市内をデモ行進しました。



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