2008年8月5日(火)「しんぶん赤旗」
世界大会・広島始まる
世界から核廃絶のうねりを
秋葉広島市長があいさつ
世界から核兵器廃絶のうねりをつくりだそう―。原水爆禁止二〇〇八年世界大会・広島の開会総会が四日、広島市で開かれました。海外代表や日本全国から六千八百人が参加し、二〇一〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議にむけて運動を強めようと会場は熱気に包まれました。
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兵庫県西宮市の大学四回生(21)は、昨年、広島市の平和記念資料館で大会のことを知り、初参加しました。「私と同世代の人がたくさん参加していることに平和への強い意志を感じます」と声を弾ませます。
参加者の多くが十代、二十代の青年たち。ピースマークの缶バッジや憲法九条のTシャツでアピール。熱心にメモをとる姿が目立ちました。
「核兵器のない世界を」などと書かれた横断幕やのぼり、折り鶴を手にした登壇者に会場が一体となった草の根の活動報告。五十周年となった国民平和大行進の通し行進者らが、「行進者の後ろには、同じ思いをもつ人がものすごくいることを実感した」と語ると、「いいぞ」の声や口笛がとびました。
民医連に加盟する鹿児島生協病院からは、ことし医師になった研修医六人全員と中堅医師二人が参加。「八人の医師を送り出す現場は大変ですが、先輩たちが『しっかり学んでこいよ』と協力してくれた」と報告すると大きな拍手がわきました。
大黒作治全労連議長が開会宣言しました。主催者報告した冨田宏治氏(関西学院大学教授)は、国際会議宣言の内容を紹介し、「核兵器のない世界」を目標とする全世界的な共同行動キャンペーンをよびかけました。
現職の国連代表の初参加として注目されたセルジオ・ドゥアルテ国連軍縮問題担当上級代表が、この大会で発言する栄誉に感謝し、「核のない世界の追求に貢献することを誓い合いましょう」と表明しました。
秋葉忠利広島市長が来賓あいさつし、日本原水爆被害者団体協議会の坪井直代表委員が被爆者を代表してあいさつ。マレーシア、エジプトの政府代表が報告しました。
国際会議が閉幕
共同行動呼びかけ
海外代表を含む二百七十人が参加し、広島市内で三日間にわたって開催された原水爆禁止世界大会・国際会議は四日、二〇一〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向け、新たな署名運動など国際共同行動を呼びかけた「国際会議宣言」を採択して、閉幕しました。
国際会議宣言は「再検討会議にいたる二十カ月間、『核兵器のない世界』を共通の目標とする全世界的な行動キャンペーンを提唱する」と呼びかけました。「核兵器廃絶を求める署名運動を軸に、多彩で創意あふれるとりくみによって世界をつなぐ、国際共同行動をくりひろげよう」と強調しています。また、核兵器全面禁止・廃絶条約へ向けた協議開始を世界の全政府に求めること、被爆による被害の実相を世界に広く知らせる運動も呼びかけています。
閉会総会で原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の高草木博事務局長が、新たな署名運動について報告。六日の世界大会で署名を発表し、大会参加者が第一署名者となって、世界に広げようと呼びかけました。
日本原水協の赤松宏一代表理事が閉会あいさつ。「国際政治を核廃絶に向けて転換するための運動の先頭に立とう」と呼びかけ、会場は拍手でこたえました。
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