2008年8月3日(日)「しんぶん赤旗」
歴教協大会始まる
“平和な世界へ自信を持って”
「歴史に学び、平和な世界を」をテーマに歴史教育者協議会(歴教協)の第六十回全国大会が二日、東京都内で始まりました。全体会には社会科教師など七百八十四人が参加。分科会や靖国神社などの現地見学を行い、五日まで交流します。東京大会実行委員会が主催。
石山久男歴教協委員長はあいさつで、愛国心押しつけの新学習指導要領によって教員や子どもを競争に追い込み、管理統制が強められようとしていると指摘。一方、憲法九条改定に反対する人々の力は根深く、戦争する国づくりとそれに連動する貧困と格差の拡大に対し「世論は大きく変化した」とのべました。
石山委員長は「子どもの未来と戦争のない世界へ道を切り開く教育をそれぞれの地域で自信を持って進めよう」と呼びかけました。
都内の公立中学校教師は、かつての教え子九人とともに授業実践を報告しました。同教師は子どもたちが社会の主権者として成長できるよう、子ども自身に体験、実証させる授業を行っています。
卒業生らは平和や差別、児童労働など問題の当事者と直接交流する授業を通して「教科書には書いていない人々の思いの大切さを知った」「(当事者に)寄り添って学習しないと本当の学習にはならない」など、当時の実感を語りました。
林博史関東学院大学教授が講演し、沖縄戦「集団自決」と日本軍「慰安婦」問題を通して、日本の戦争責任を問いました。
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