2008年8月3日(日)「しんぶん赤旗」
食料暴騰や投機に懸念
南アジア地域協力連合 首脳会議始まる
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【コロンボ=豊田栄光】南アジア地域協力連合(SAARC)は二日、コロンボで第十五回首脳会議を開催しました。開幕日の二日は各国首脳が演説を行い、世界的な食料暴騰に懸念を表明し、将来的な対応策として、国内における食料増産の必要を訴えました。
議長国スリランカのラジャパクサ大統領は、「(食料暴騰の)この機会に、農業と国産食料の増産を基礎にした食料安保に焦点をあてよう」と提案。また「人々を顧みない投機資金と市場の力に頼らない成長戦略」の策定を提唱しました。
バングラデシュのアハメド暫定首相は「世界の貧困層のほぼ半数は南アジアにいる。食料高騰は地域の人々をより困窮させている」と指摘し、「貧困削減には、穀物自給が決定的に重要だ」と訴えました。
他の首脳からも「農業投資と農作物生産の改善が必要」(ブータン)、「食料不足一掃のために、農作物の飛躍的な生産増と農家の収入増に努める」(インド)といった考えが表明されました。
パキスタンのギラニ首相は、SAARC加盟国に他のアジア諸国も加わった「大アジア食料安保計画」の立ち上げを考慮すべきときだと強調しました。
南アジア地域協力連合 一九八五年十二月のダッカでの首脳会議で正式発足し、加盟国はインド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、ブータン、モルディブ、アフガニスタンの八カ国。南アジア諸国民の福祉増進と生活水準向上を図り、経済成長、社会進歩、文化発展を推進するのが目的です。