2008年8月3日(日)「しんぶん赤旗」
米原潜 放射能漏れ
3月、佐世保・沖縄寄港
CNN報道 「数カ月に及ぶ」
【ワシントン=鎌塚由美】米海軍は一日、米海軍の原子力潜水艦ヒューストンが今年三―四月に長崎県佐世保基地に寄港した際、艦内から放射性物質を含む水を漏らしていた可能性があることを明らかにしました。米CNN放送によれば、同艦の放射能漏れは「数カ月に及ぶ」もの。ヒューストンは三月に沖縄県ホワイトビーチにも寄港しており、その時にも放射能漏れが起きていた可能性があります。
米海軍では、神奈川県横須賀基地への配備を狙う原子力空母ジョージ・ワシントンで火災事故が起きたばかり。米軍のずさんな核管理への不安が改めて高まっています。
今回の事故は、ヒューストンがハワイの乾ドックで定期点検中の七月十七日に、水兵がバルブから漏れた水を浴びたことで発覚。「ネービー・タイムズ」電子版によれば、七月二十四日の試験中に放射能漏れが確認されました。漏れた水は、原子力推進装置から流れたものであり、原子炉から直接流れた水ではないといいます。
CNNによれば、「同事故に通じた当局者は、漏れた放射能の量は特定できない」が、0・5マイクロキューリーほどで、「取るに足りない極めて低レベル」だと述べています。
外務省 公表1日遅れ
外務省は二日、米原潜ヒューストンが放射能漏れを起こしていた事件について、米国政府から一日午後に連絡があったことを明らかにしました。にもかかわらず、外務省から長崎県や佐世保市、沖縄県などへの通報は二日午前に遅れました。
同省側は「放射能漏れは微量で、影響はないと判断した」「日本に寄港した際の放射能調査では特異な数値は検出されなかったものと承知している」と説明。直ちに米国に抗議したり、再発防止を要請したりする考えはないとしています。
町村信孝官房長官は同日の記者会見で「外務省はすぐに官邸に報告したり、公表すべきだった」と述べ、外務省の対応に苦言を呈しました。
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