2008年7月31日(木)「しんぶん赤旗」
遺伝子組み換えナタネ
自生拡大 10県で発見
市民団体調査
遺伝子組み換えナタネの自生についての市民団体の今年の調査結果がまとまりました。十県で組み換えナタネが見つかり、調査した人たちは自生の広がりに注意を呼びかけています。
調査は、市民団体の「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」や農民連食品分析センター、生活協同組合が中心になって三十都道府県で取り組まれました。セイヨウナタネを採ったその場で判定できる「簡易キット」、PCR法と呼ばれる遺伝子分析器によっておこないました。
千二百二検体を調べた結果、茨城、千葉、静岡、愛知、三重、兵庫、山口、福岡、熊本、大分の十県で採ったナタネ八十六で遺伝子組み換えの陽性反応が出ました。
遺伝子組み換えは、「ラウンドアップ」と呼ばれる除草剤(成分名グリホート)と「バスタ」と呼ばれる除草剤(成分名グルホシネート)をかけても枯れないナタネにしたもの。通常はどちらか一つですが、二つの遺伝子があるナタネも茨城県で発見されました。
農民連食品分析センターは四十八検体で遺伝子組み換えを発見しました。同分析センターの八田純人主任研究員は、「港から十キロ離れた場所でも見つかっており、広がらないようにすることが必要だ」と話します。
ナタネは、油を搾り、飼料・肥料にするため輸入されていますが、八割以上が遺伝子組み換えです。ナタネや白菜などのアブラナ科の植物に移る不安が指摘されています。
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