2008年7月30日(水)「しんぶん赤旗」
神戸増水
国に安全基準なし
山下議員が国交省要請 親水河川に対策を
神戸市灘区の都賀川(とががわ)が増水、流された四人が死亡した事故で、日本共産党の山下芳生参院議員は二十九日、再発防止の対策を国土交通省に要望しました。
同日午前に現地調査をした山下議員。「都賀川が親水性のある川として河川整備をすすめ、子どもを安心して遊ばせられる場所となっている」とのべ、「そうである以上、ふさわしい安全対策があるべきだ。安全の指針や基準はあるのか」と国交省河川局の担当者にただしました。
国交省側は「一律な基準をつくるのは難しい」とのべ、親水(水に親しむこと)性を持たせた河川整備をしていながら、増水時の対策や安全基準を国交省が持っていないことがわかりました。
山下議員は「人を川に呼び込んでおきながら、安全対策がないのはアンバランスではないか。水量が増えたら、避難するよう周知すべき」だと発言。国交省側は「自分の身を守るのは自分だという意識を持っていただくのが一番。機会をとらえて情報提供していきたい」とのべるにとどまりました。
山下議員は「こうした増水は全国どこの河川でも起こりうること。本格的な水遊びシーズンにあたり、二点要望したい」とのべ、(1)親水性のある河川に避難誘導の体制があるか一斉点検をすること(2)増水時安全指針をつくることを要望しました。
穀田恵二衆院議員秘書が同席しました。
警報装置なかった
県・消防署から聴取
山下議員
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神戸市灘区の都賀川が増水し四人が死亡した事故で、日本共産党の山下芳生参院議員は二十九日、現地調査をおこない、事故原因と対策について兵庫県と神戸市灘消防署を訪れ、聴取しました。
山下氏は、都賀川の構造が雨が降ると一気に増水する危険性を指摘し、河川整備や川で遊ぶ子どもたちや市民の安全対策について質問しました。
兵庫県河川整備課の小林徹副課長は、看板やパンフレットなどで周知していること、増水の危険を知らせるサイレンが上流にダムなどがある場所にだけ設置され都賀川にはないこと、六甲山の南側では新湊川だけに設置されていることなど説明。「今後どうするか検討できていない」とのべました。灘消防署では、警報発令時に監視カメラなどで確認することになっていたが、火事で出払って対応できなかったことが報告されました。
山下氏は、「予想を超える事態と言って逃げては教訓にならず、なぜ防げなかったのか考えなければいけない。国政でもいかしていきたい」とのべました。
調査には、瀬戸恵子衆院近畿比例予定候補、味口としゆき兵庫1区、堀内照文参院兵庫選挙区予定候補も参加しました。
親水公園 川や用水路、海岸など、水辺に親しむためにつくられた公園。子どもや親子連れが、水辺の環境を楽しめる場所として整備されています。水にふれるだけに、水質や、増水などに対する安全配慮が求められますが、国土交通省は安全基準を設けていません。