2008年7月28日(月)「しんぶん赤旗」
改革へ努力続ける
革命記念日 ラウル議長演説
キューバ
【メキシコ市=島田峰隆】キューバ東部のサンティアゴデクーバで二十六日、革命の発端となった一九五三年のモンカダ兵営襲撃から五十五周年を記念する式典が開かれ、ラウル・カストロ国家評議会議長が演説しました。
同議長は、貧困や飢餓の削減、平均寿命の延長など革命の成果を今後も守り、前進させることを約束しました。
一方で「膨大な問題が解決されていないことを認識している」「国民には適宜、いろいろな困難を説明しなければならない」と語り、社会や経済のゆがみをただす改革を進める姿勢を示しました。
キューバは旧ソ連崩壊後の経済危機を乗り越え、ここ数年は経済成長を回復しています。他方で、極端に低い賃金、汚職、腐敗、貧富の格差拡大などが問題とされています。
今年二月に就任したラウル議長のもと、米国による経済封鎖とたたかいながら、こうした社会や経済のゆがみをただす改革の努力が続いています。
ラウル議長は今月十一日の国会演説で、人口構造の変化と経済状況を考慮に入れた定年年齢の引き上げ、漸進的な賃上げ、所得の平等ではなく権利や機会の平等の重視など、一連の新たな提案をしました。
三月以降、不平等を防ぐという目的で導入された過剰な禁止条項のいくつかが廃止され、キューバ人の外貨支払いホテルの宿泊やレンタカーの使用、家電製品の購入などが認められました。また、公務員の賃金上限廃止を発表しました。