2008年7月26日(土)「しんぶん赤旗」
コンビニ深夜営業自粛よびかけ どう考える
〈問い〉地球温暖化対策の一環として、コンビニエンスストアの深夜営業自粛を求める声がでていますが、日本共産党はどう考えますか?(和歌山・一読者)
〈答え〉コンビニの深夜営業は、労働と社会のあり方としても、温暖化問題としても、さらにフランチャイズ本部と加盟店のあり方からも、今の異常な日本の社会を反映したものです。私たちは、これを早急に見直すための国民の合意形成が必要であり、フランチャイズチェーン本部の身勝手な加盟店への24時間営業の強要にたいする規制をはじめ、実効ある措置が必要であると考えます。
コンビニの24時間営業は、1980年代半ばから都市部を中心に爆発的に広がりました。大企業の利潤第一主義のもとで長時間・過密労働がまん延するとともに、フランチャイズ本部が24時間営業を編み出し、加盟店におしつけてきました。現在のフランチャイズチェーン協会に加盟するコンビニの店舗数約4万2000店の94・4%にあたる3万9800店が24時間営業です。
24時間営業の弊害の一つが、コンビニが排出する温室効果ガスです。2006年度には267万トン(CO2換算)が排出され、一店舗あたりに換算すると63・6トンです。これは、1世帯が1年に排出する5・3トンの12倍に相当します。
同時に、大問題になっているのが、24時間営業の強要にともなう、加盟店の深刻な実態です。大半の加盟店は深夜営業の採算がとれないばかりか、深夜のアルバイトの確保が困難で、加盟店主や家族で補わざるをえず、その結果、肉体的・精神的にも耐え難いものになっています。「防犯」という面でも、深夜の一人体制で対応できるのか、との不安の声も上がっています。
さらに、国民の利用実態や意識からも、この営業形態は考え直すべきときにきています。
内閣府の世論調査では、24時間営業している店舗の利用について、「1〜2日に1回以上」利用する人はわずか5・9%、「月に1〜2回」が20・6%にすぎません。「朝日」(1月7日付)の世論調査では、地球温暖化のために「がまんできる」との回答に「コンビニ店などの深夜営業規制」をあげた人は83%にもおよんでいます。
現在、いくつかの地方自治体で自粛の要請や規制の検討がなされています。フランチャイズ本部の身勝手を許さず、加盟店の意向を尊重するよう規制すること、さらに長時間・過密労働や社会のあり方もふくめて解決していくことが大切です。(文)
〔2008・7・26(土)〕