2008年7月26日(土)「しんぶん赤旗」
ライブドア事件
堀江元社長2審も実刑
東京高裁 故意や共謀認定
ライブドア事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)罪に問われ、一審で懲役二年六月の実刑判決を受けたライブドア(LD)社元社長の堀江貴文被告(35)の控訴審判決公判が二十五日、東京高裁でありました。長岡哲次裁判長は「虚偽発表や、脱法目的でファンドを組んだことに、いずれも故意や共犯者との共謀があった」として一審判決を支持し、堀江被告側の控訴を棄却しました。同被告側は即日、上告しました。
堀江被告は二審で無罪を主張する一方、この日の判決を含め、一度も出廷しませんでした。
判決は、LD社が自社株の売却益を売り上げに計上するなどし、虚偽事実を発表したことについて「実際の業績以上に誇示し、成長性が高いと社会に印象付け、ひいては自社の企業利益を追求した」と指摘。その結果、「上場廃止を受け、多数の株主に投下資本の回収を困難にして損害を与えた。投資者保護の面で深刻な悪影響を及ぼした」と認定しました。
同社元取締役の宮内亮治被告=証券取引法違反罪で一審有罪、控訴=らが裁判で、堀江被告の関与を認めた供述について「供述した経緯や、他の関係者の供述と符合することから、信用性は高い」と判断。犯行は「堀江被告をはじめとする経営陣が、組織的に敢行した」と認定しました。
堀江被告側は量刑が不当に重いと主張しましたが、判決は同被告がLD社株四千万株を売却し百四十億円を得ていることを指摘。「『結果的に、本件犯行による利益を受けており、量刑上無視できない』とした一審判決は是認できる」と述べ、退けました。
判決によると、堀江被告は宮内被告らと共謀し、二〇〇四年九月期の連結決算で、経常利益を約五十三億円粉飾した有価証券報告書を提出するなどしました。
事件では、堀江被告らが駆使した「株式分割」「株式交換」などを自由化した金融市場の「規制緩和」に批判が集まりました。「貯蓄から投資へ」のスローガンのもとに規制緩和を推進した自民党は、〇五年の総選挙に立候補した堀江被告を全面的に支援しました。