2008年7月26日(土)「しんぶん赤旗」
生活・平和 連帯さらに
全労連大会終わる
新議長に大黒氏選出 事務局長は小田川氏
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東京都内で開かれていた全労連第二十三回定期大会は二十五日、今後二年間の運動方針や国際連帯活動の強化をめざす行動綱領改正案を採択し、新執行部を選出して終わりました。新しい議長に大黒作治(だいこく・さくじ、自治労連委員長)、事務局長に小田川義和(現職)の両氏をそれぞれ選出しました。
三日間で八十人が発言。どの単産、地方・地域労連でも共同を広げて要求を前進させ、政治も動かしていることが語られました。
総括答弁に立った小田川事務局長は、「労働運動の正道を歩んでいることに確信を持つことができた大会だった」とのべました。
すべての労組、市民団体に共同を呼びかけた燃料・物価高騰による生活危機を突破する課題について、政府の無策や大企業の横暴を追及しながらも、幅広い共闘をめざす考えを強調。来春闘でも「従来の延長線上でない強力なたたかいをすすめたい」と語りました。
焦点となっている労働者派遣法の改正問題では、労働者保護の規制強化を実現させようと強調。提起した「憲法を職場と地域に生かす運動」に取り組みながら、過半数世論の結集をめざして五百万署名運動に執念を持って取り組もうと呼びかけました。
全国各地で、劣悪な状態にある非正規労働者を仲間に迎え入れていることや、奴隷的な状態で働かされている中国人研修生の発言にもふれて、「非人間的な労働をなくし、全労働者の地位向上をめざすナショナルセンター(労働組合の全国組織)としての役割と責任を今こそ果たそう」と訴えました。
共同の流れを大きく
大黒議長が就任あいさつ
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大会で就任あいさつした大黒作治議長は、「国民の世論が政治を動かす情勢が開かれていることを実感するとともに、最低賃金の引き上げをはじめ全労連が掲げてきた課題がすべての国民・労働者の要求になり、期待が高まっていることを改めて感じた」とのべ、「この流れをさらに大きくしていきたい」と力をこめました。
「蟹工船」ブームや日本共産党への注目の高まりなど世論の変化にふれながら、「結成二十年を迎える全労連が内外に向かって大きく訴えていくときだ」と強調。「憲法と暮らしを守る世論と運動をリードする役割を果たしていきたい」とのべました。
大黒議長ら新役員は大会後に記者会見し、質問に答えました。
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小田川事務局長は、非正規労働者、青年のなかでの活動の前進を確信した大会だったと振り返りました。結成二十年を迎えるにあたって、無法な働かせ方をやめさせて人間らしい働き方を実現するという労働運動の原点に立ち返って、新たな意気込みで前進をめざしたいと語りました。
大黒議長は、生活危機を突破するため大会で呼びかけたすべての労働者・労働組合、市民団体などとの共同について聞かれ、貧困をなくし生活を守るために力をあわせることが今ほど求められる情勢はないとのべ、胸きんを開いて国会行動や地方での運動などさまざまな場面で共同を追求し、国民・労働者の期待にこたえたいとのべました。
新役員を選出
大会で選出された主な役員は次の通り。(敬称略、新以外は再任、団体名は所属組合)
議長=大黒作治(新、自治労連)▽副議長=生熊茂実(JMIU=全日本金属情報機器労組)、植田保二(大阪労連)、大木寿(全労連・全国一般)、小松民子(新、日本医労連)、柴田真佐子(全教)、堤敬(東京労連)、根本隆(新、生協労連)▽事務局長=小田川義和(国公労連)▽事務局次長=井上久(新、日本医労連)、渡辺正道(新、全労連幹事会)