2008年7月26日(土)「しんぶん赤旗」

いのちと地域を守る

自治体学校始まる

大阪・吹田


 「今こそいのちと地域を守る地方自治を」のテーマで、第五十回自治体学校が二十五日、大阪府吹田市ではじまりました。節目となる開催には全国各地から自治体労働者、地方議員、研究者など約千八百人が参加。政府がすすめる「構造改革」によって地方自治の破壊が進むなか、地域住民が主体となる自治体づくりの展望や運動などについて交流しました。

 吹田市のメイシアターで開かれた全体会では、元滋賀大学学長の宮本憲一氏が記念講演しました。宮本氏は、自治体学校をはじめとした地方自治研究活動の取り組みが「地方自治を住民の手に」という目標を掲げ、公害反対運動や福祉施策の拡充などさまざまな成果を生んできた歴史を報告。自治体リストラが進む現在、地域住民と公務労働者がともに、「足元から内発的に維持可能な社会を創造する政策を進める必要がある」と強調しました。

 京都大学大学院教授の岡田知弘氏(自治体問題研究所理事長)は、「構造改革」が生みだした危機的状況を詳しく分析。地方自治の分野では、財界が主導して進める道州制の狙いを明らかにして、「住民のいのちと暮らし、基本的人権を守るとりでとなる地方自治体の役割を発揮する運動の新たなうねりをつくりだそう」と呼びかけました。各地の自治体労働者、首長らからは自治をはぐくむ独自の取り組みが生き生きと語られました。

 愛媛県宇和島市の若藤美鈴さん(市職員組合執行委員長)は、住民とともに医師不足対策に乗り出している取り組みを紹介。ほかにも、市民・自治体労働者、研究者が共同して、まちづくりの政策研究をしている大阪府吹田市の取り組みや、集落を基礎にした地域再生を行う長野県阿智村の村づくりなどが報告されました。自治体学校は二十七日まで三日間の日程で開かれる予定です。


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