2008年7月26日(土)「しんぶん赤旗」

秋山容疑者

脱税口座開設の米法人

安保戦略会議支援が目的


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(写真)CNSの理事就任を要請する安全保障議員協議会の内部文書

 脱税容疑で逮捕された社団法人「日米平和・文化交流協会」常勤理事の秋山直紀容疑者(58)が所得を隠していた口座を開設したワシントンの非営利法人のひとつは、日米の軍事産業界と国防族の利権の接点と指摘される日米安全保障戦略会議の支援組織として立ち上げたものであることが二十五日わかりました。秋山容疑者の関連団体の内部資料から判明しました。

 秋山容疑者が脱税に使っていたのは米国三法人の口座。問題の法人はそのうちの一つ非営利法人カウンシル・フォー・ナショナル・セキュリティ(ワシントン、略称CNS)で二〇〇三年に設立されています。

 CNSが立ち上げられた目的は、同年から始まった日米安保戦略会議を資金・運営両面でバックアップするためでした。日米安保戦略会議は日米平和・文化交流協会と秋山容疑者が事務局長を務める安全保障議員協議会(会長・瓦力元防衛庁長官)が共催してきたもの。

 安保議員協の二〇〇三年二月二十一日付の内部連絡文書によると「今回、ワシントンDCに安全保障戦略会議運営支援のための非営利団体として、カウンシル・フォー・ナショナル・セキュリティ(原文は英文)を設置致しますので、協議会の先生方には理事として御就任いただきたく御了解願います」と理事就任を要請していました。

 安保議員協は自民、民主、公明各党の国防族有力議員がメンバー。自民党は、久間章生元防衛相、額賀福志郎財務相ら、民主党は前原誠司副代表、公明党は佐藤茂樹外交安保調査会事務局長らが加わっていました。福田康夫首相も一時期メンバーでした。

 国防族議員が関与するCNSの口座を通じて秋山容疑者が脱税していたことで、CNS理事に就任していた議員とのかかわりについても解明が求められます。

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