2008年7月24日(木)「しんぶん赤旗」
英の穀物
作付面積13%増加
減反政策から転換
【ロンドン=岡崎衆史】英国の公共機関である国産穀物局(HGCA)は二十一日、今年の英国内の穀物の作付面積が昨年よりも13・4%多い約三百十八万ヘクタールに達するとの見積もりを発表しました。
このうち、小麦の作付け面積は昨年よりも14・5%多い二百六万八千ヘクタール。大麦の作付面積は昨年よりも12・4%多い九十八万七百ヘクタール。オートムギの作付面積も昨年より3・8%多い十三万一千五百ヘクタールでした。
一方で、バイオ燃料となるアブラナの作付面積は昨年よりも13・3%少ない五十九万百ヘクタール。減反面積は、昨年よりも46%少ない十九万一千二百ヘクタールでした。
HGCAは、穀物作付面積の大幅上昇の理由として、「(穀物)価格の上昇と減反政策の転換」を挙げています。
英国では欧州連合(EU)の減反撤廃方針を受け、穀物生産の増進を図っています。
EUは穀物の過剰生産を防ぐとして、域内の農家に対し、耕作面積の10%の休耕を義務付けてきました。しかし、穀物価格の国際的な高騰を受け、昨秋と今春に減反を一時的に停止しました。
その後、五月に欧州委員会(EUの執行機関)は、減反を一時停止から全面撤廃にする方針を発表しました。