2008年7月23日(水)「しんぶん赤旗」

政府 大企業優遇策の誤り認める

経済財政白書 景気の家計波及なし


 「期待されていた『企業から家計への景気回復の波及』は、実現に至っていない」。政府の白書がこんな見解を示しました。

 この白書は、大田弘子経済財政担当相が二十二日の閣議に提出した二〇〇八年度の「年次経済財政報告」(経済財政白書)。自民・公明内閣が固執し続けてきた「企業から家計への景気回復の波及」というシナリオの破たんを認めざるを得なくなりました。

 小泉内閣以来、自民・公明政権は「構造改革」路線の下、大企業を支援すれば、その「好調さ」が家計に波及するという経済政策にこだわってきました。

 減税や補助金などで大企業を優遇する一方、庶民に増税と社会保障改悪による負担増を押し付けてきた「構造改革」路線の誤りを浮き彫りにした形です。

 また白書は、労働者の賃金について「景気回復期を通じて定期給与が低調で推移する一方、最近はボーナスも振るわず、全体として伸び悩んでいる」と指摘。その背景として、企業の人件費抑制姿勢の強まりによる非正規雇用の増加が、所定内給与の低調さを招いていることや、企業収益が「弱含み」になったことによってボーナスも減少に転じたことをあげています。

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