2008年7月18日(金)「しんぶん赤旗」
雇用促進住宅の半数廃止決定
784カ所、約6万8千戸
雇用促進住宅の約半数が廃止決定された問題で、七百八十四カ所にのぼる住宅名が十七日までに分かりました。
佐々木憲昭衆院議員に対して厚生労働省が明らかにしたもの。対象となる約六万七千五百戸に、「廃止決定」の通知が、五月から六月にかけて配布され、住民の間に不安が広がっています。
雇用促進住宅は雇用保険の保険料で整備され、運営は独立採算制です。独立行政法人の雇用・能力開発機構が所有。政府は二〇二一年度までに、すべての雇用促進住宅を自治体や民間に譲渡、または更地にして売却する「廃止」を進めます。
国が三菱総合研究所に作成させた報告書では、「最大収益を目指す場合」、約千三百住宅を「更地にして売却」とあるように、取り壊して売り払うことが廃止の最大の目的とみられます。
雇用促進住宅は一九六一年に運営が開始されました。エネルギー政策の転換で炭鉱が閉鎖され離職者の雇用と住居を確保することが目的でした。その後、移転就職者がハローワークの紹介で入居できるように。自治体の誘致も多く、公共住宅として低所得者の住居を保障しています。
国は九〇年代、「行政改革」によって雇用促進住宅を廃止する方向を打ち出しました。さらに小泉「改革」のもとで具体化が加速。福田内閣は昨年十二月の閣議で計画を前倒しして、売却業務を民間委託するなど廃止を促進しています。