2008年7月15日(火)「しんぶん赤旗」
京都市長らに監査請求
市民607人 実績本購入の公費返還を
京都市教育委員会が、二月の京都市長選立候補を表明した当時教育長の門川大作氏(現京都市長)を当選させる目的で、同氏インタビューが載った市販本千四百冊を公費で購入、教育関係者らに配布・郵送したのは違法・不当な公費支出に当たると十四日、六百七人が市監査委員に、門川氏らに市販本の購入費と郵送料の約二百九万円の返還を求める住民監査請求を行いました。
請求したのは市民団体の「市民ウォッチャー・京都」、「京都・市民オンブズパースン委員会」、「for‐kyoto」のよびかけに賛同した人です。
市販本は『教育再生への挑戦〜市民の共汗で進める京都市の軌跡』(PHP研究所編)で一冊、千三百六十五円。請求書では、市販本が門川氏の選挙中の実績宣伝と多くが重なり、市販本発行(二〇〇七年十二月二十七日)前に計十回、京都や東京の書店で購入契約を結び、門川氏が十二月十四日に教育長を辞職するまでに七回にわたり購入を決定しているとしており、立候補表明から告示直前の一月二十三日まで、約六百七十冊をPTA連絡協議会など市内各種団体代表らに配布しているといいます。
「市民ウォッチャー・京都」幹事の村井豊明弁護士は「市教委の配布ルートも使い学校にも配っている。教育長を選挙で通すために公費を投入したのは問題だ」と話しました。
この問題では、自由法曹団京都支部の弁護士が、門川氏らを物品供与と公務員の地位利用で公選法違反にあたるとして六月二十三日に京都府警に告発しています。