2008年7月15日(火)「しんぶん赤旗」
主張
日本共産党創立86周年
綱領と情勢が共鳴するなかで
「私たちの気持ちを一番代弁してくれるのが共産党。私は与党議員ですが、福祉の充実、弱者救済、戦争反対の三つは、どこまでも共産党と共闘できます」―。日本共産党の市田忠義書記局長が先日、奈良県吉野郡を訪れたさい、行政関係者や保守系議員と懇談した席で出たことばです。
日本共産党への新たな注目と期待が広がっていることを示す一例です。日本共産党が一九二二年に創立されて、きょう七月十五日で八十六周年。日本共産党の綱領路線と情勢が響きあう、新しい劇的な進展が生まれているのです。
苦難打開を立党の精神に
自公政治による弱肉強食の「新自由主義」路線の下で国民の生活苦がかつてなく深刻になり、「日本の社会はこれでいいのか」と問い直す国民世論が広がっています。これに応える日本共産党への期待や共感が広がっている実例は、枚挙にいとまがないほどです。
日本共産党は、「ルールなき資本主義」といわれる世界でも異常な大企業中心主義をただし、「ルールある経済社会」をめざしてきました。貧困と格差拡大をもたらしている雇用の問題でも、国民の生活を下支えするどころか脅かしている社会保障の問題でも、食料・農業や地球環境の問題でも、大企業の横暴を野放しにしておいては問題が解決しないとの訴えに、党派を超え、共感が広がっています。
戦争から平和へ、軍事同盟から平和の共同体へと世界が大きく変わるなか、いつまでも「アメリカいいなり」の政治をつづけていいのかという訴えも、海外派兵の問題や米軍再編などの問題を通じて、国民の共感を広げています。
日本共産党は、資本主義の枠内での民主的改革とともに、将来的に社会主義・共産主義を展望している政党です。その点でも、心ある方々から「新しい社会主義」への期待が語られ、マスメディアでも「資本主義の限界」が話題になるなど、これまで経験したことがない情勢が生まれています。
こうした変化は決して自然に起こったものではなく、日本共産党の党員や支持者のみなさんの草の根の活動が切り開いてきたものです。党の創立八十六周年を、そうした希望ある変化の中で迎えたことは、感慨深いものがあります。
日本共産党は、野蛮な天皇制政府のもとで、主権在民と侵略戦争反対の旗を掲げて創立されました。以来今日まで、どんな迫害にも屈せず、「国民こそ主人公」の立場に立ち、国民の苦難軽減のため献身するという、立党の精神を貫いてきました。この立党の精神にもとづく行動が、いまほど国民に待ち望まれているときはありません。
政治の中身変えるには
日本の政治は昨年の参院選挙で自公が大敗北し、自公に代わる新しい政治の中身を国民が探求する、新しい時代が始まっています。日本共産党の綱領路線と情勢との響きあいが生まれてきたのも、長年にわたった自民党の政治が限界に達し、国民がその打開の道を真剣に求めていることを示すものです。
日本の政治にとって政治の中身の変革を訴えていくことがますます重要です。私たちは「国民の苦難あるところ、日本共産党あり」の立党の精神を発揮し、党の綱領と日本の前途を語り、新しい政治を切り開くために力をつくします。