2008年7月15日(火)「しんぶん赤旗」
学習指導要領解説書
“竹島は日本領”初明記
韓国、大使を一時帰国へ
文部科学省は十四日、日韓両国が領有権を主張している竹島について初めて明記した中学校社会科の新学習指導要領解説書を公表しました。解説書では「固有の領土」との記述は避けたものの、「北方領土と同様にわが国の領土・領域について理解を深めさせる」と明記しました。
韓国側は駐日大使を一時帰国させることを決めました。
竹島の記述を追加したのは解説書の地理部分。「わが国が正当に主張している立場に基づいて、当面する領土問題や経済水域の問題などに着目させたりすることも大切」とした上で、「韓国との間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ(る)」としました。
南千島の国後島、択捉島などについては従来通り「北方領土はわが国固有の領土」と記載。竹島を「北方領土と同様に」とすることで、日本の領有や韓国による占拠を間接的に説明した形となっています。
解説書は、文科省が指導要領の「意味や解釈など」を示したもの。同省は教育委員会に教員への周知、徹底を求め、教科書作製の指針にもしています。
市田書記局長がコメント
日本共産党の市田忠義書記局長は十四日、次のコメントを発表しました。
日本政府は十四日、中学校の学習指導要領の社会科解説書に、日韓両国が領有権を主張する竹島について、「わが国と韓国との間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同様にわが国の領土・領域について理解を深めさせる」という表現で、初めて明記する方針を決定した。
竹島問題についてわが党は、一九七七年に見解を発表し、竹島の領有権を日本が主張することには、歴史的根拠があるとしてきた。同時に、この島の日本への編入が行われたのが一九〇五年で、日本が韓国を武力で植民地化する過程であり、韓国の外交権が奪われていたという点も踏まえ、韓国側の主張もしっかり検討する必要があるとも指摘してきた。
日韓両国は、歴史の共同研究の作業を開始しており、両国間の紛争問題となっている竹島問題も歴史的事実と国際的道理にもとづいて、冷静な共同研究・話し合いによって解決されるべきである。わが国の側から、一方的な措置をとることは、この問題の解決をはかるうえで適切ではないと考える。