2008年7月10日(木)「しんぶん赤旗」
運動広げ言論守れ
ビラ弾圧抗議 集会に950人
市田氏あいさつ
東京
相次ぐビラ配布弾圧事件を受けて、「あぶない!言論の自由が! ビラ配布の自由を守る7・9集会」が九日、東京都千代田区の日本教育会館で開かれ、市民ら約九百五十人が参加しました。一橋大学大学院の渡辺治教授が「ビラ配布の自由と日本国憲法」と題し記念講演。裁判所で審理中のビラ弾圧事件、映画「靖国 YASUKUNI」上映妨害問題などについて報告がありました。
日本共産党の市田忠義書記局長が「言論の自由を守り広げるたたかいは、憲法改悪を許さない国民的な運動の一環だ」と連帯のあいさつをしました。
集会は全労連、日本国民救援会、自由法曹団と、ビラ弾圧事件の支援団体などでつくる実行委員会の主催。
渡辺教授は講演で「保守勢力が二十年来追求してきた憲法改定と『構造改革』が、国民の批判の前に思うように前進しない。それを改めて推進するために、言論弾圧を繰り返している」「焦っているのは彼らの側。私たちは言論活動を大いに展開し、弾圧したくてもできない状況を作っていく必要がある」と語りました。
続いて、二〇〇四年―〇五年に相次いで発生した「国公法弾圧堀越事件」「葛飾ビラ配布弾圧事件」「世田谷国公法弾圧事件」を紹介する約三十分の映像を上映。字幕やナレーションで、事件発生の経緯や裁判の状況などを説明しました。
三事件の当事者が壇上に上がり、支援を訴えました。マンションの集合ポストにビラを配って書類送検された幸野統・日本共産党国分寺市議も紹介されました。
映画「靖国」問題について報告した高橋邦夫・映画演劇労連委員長は「与党政治家が表現の自由に介入した。多くの問題点を含む事件」と発言。日教組の教研集会会場になる予定だったプリンスホテルが、「右翼の街宣」を口実に集会直前に使用を拒否した問題では、田場暁生弁護士が「『先回りの自粛』が前例になると、社会に与える影響は大きい」と指摘しました。