2008年7月9日(水)「しんぶん赤旗」
食料高騰
各国 貧困層に最大被害
英内閣府報告書
【ロンドン=岡崎衆史】英内閣府は七日、報告書を出し、食料価格高騰によって世界と英国の双方で貧しい人々が最も深刻な被害を受けていると警鐘を鳴らしました。
報告は、食料高騰が「各国で社会不安を招き、都市でも地方でも最も貧しい人々に極めて困難な状況を引き起こしつつある」として懸念を表明。途上国の貧困層の家計支出の50―80%は食料に向けられているとし、これらの人々の支援のために「国際社会が素早く対応することが極めて重要だ」と強調しました。
英国については、二〇〇五―〇六年で、最も貧しい家庭の10%が家計支出の15%を食料に支払っているのに対し、最も豊かな10%の食料への支出は家計支出の7%にすぎないと指摘しました。
一方報告は、大量の食料が投棄されている問題も取り上げました。英国では、毎年四百十万トンの食料が食べられるにもかかわらず捨てられていると警告。途上国では最大40%の収穫後の食料が、加工や貯蔵、輸送の過程で失われていると推測しました。