2008年7月9日(水)「しんぶん赤旗」
「選択」でなく「生存」問題
韓国が省エネ策
韓国政府は六日、国際的な原油高に対応するためにエネルギー節約対策を発表しました。まず七日から官公庁が車両利用規制などを実施。さらに、現在一バレル約百三十九ドルの中東産ドバイ原油価格(現物)が百七十ドルを超えれば、民間部門での省エネを義務化する法的な措置を取ります。
まず官公庁から
対策を発表した韓昇洙(ハン・スンス)首相は「第三次オイルショックが懸念される状況で、エネルギー節約は選択の問題ではなく生存の問題」だと強調しました。韓国の一人当たりの年間エネルギー消費量(石油換算)は三・二二五トンで、日本の三・四六〇トンと同程度です。
七日から実施された措置により、官公庁は偶数ナンバーと奇数ナンバーの車両を一日おきに運用。屋内の冷房温度を二六度から二七度に引き上げ、暖房温度は二〇度から一九度に引き下げます。エレベーターの運行は四階以上に限り、一階置きにしか止まらないようにします。
このほか、公共施設の噴水やライトアップを中止。一般道路と高速道路の減灯を実施します。
民間部門には当面、勧告措置として▽乗用車の利用自粛▽大企業の通勤バス導入拡大▽飲食店の深夜営業時間の短縮▽営業時間外の大型店の照明自粛▽広告塔の照明自粛―などを促します。
違反罰金も視野
韓首相とともに記者会見した姜万洙(カン・マンス)企画経済相は「ドバイ原油価格が百七十ドルを超えれば、必要な部分に強制措置を取る計画」だと述べ、違反業者に罰金を科すといった方法も考慮していることを明らかにしました。
エネルギー節約と合わせて、韓国政府は資源外交にも力を入れる方針を決めました。今年下半期にロシア、アフリカ・中南米諸国との首脳外交を推進するほか、イラク高官を韓国に招待、ベネズエラ、南アフリカ、カザフスタン、ペルー、ナイジェリアなどとの間でそれぞれ資源協力委員会を立ち上げる構想です。
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