2008年7月8日(火)「しんぶん赤旗」
洞爺湖サミット
中期目標もつ合意必要
温室ガス削減 欧州委員長が会見
欧州連合(EU)の内閣にあたる欧州委員会のバローゾ委員長は七日午前、北海道洞爺湖サミット開幕を前に洞爺湖町で記者会見し、サミットの焦点である地球温暖化問題について、温室効果ガス削減の長期目標だけでなく、中期目標でも原則合意することが必要だと強調しました。
バローゾ氏は、今回のサミットで中期削減目標の具体的数値で合意することは難しいとしても、「一九九〇年比で50%削減するという長期目標に対する誓約とともに、拘束力をもった野心的な中期目標をもつという原則で合意すれば、サミット成功の条件になる」と表明。二〇一三年以降の温暖化防止の新たな国際協定を来年末までに合意するには、洞爺湖サミットで長期目標について合意するだけでは不十分だとの見方を示しました。
同氏は、「あなたが最初に行動しない限り、わたしは何もしない」という「防衛的立場」「悪循環」を捨て、「わたしが行動するから、あなたも行動して欲しい」という「気高い循環」の立場に転換する必要があると各国首脳に要請。また先進国と発展途上国の義務の違いを認める「共通だが差異ある責任」の原則を守るべきだと指摘しました。
これは実質的に、「中国やインドが合意に参加しない限り自国の立場を変えない」とする米国などの姿勢を批判したものです。
日本政府が強調する「セクター別アプローチ」については、「世界的な削減目標の代わりにならない」ようにとクギを刺しました。
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