2008年7月5日(土)「しんぶん赤旗」
開業医 診療報酬、月7万5千円減
“地域医療崩壊を加速”
保団連 診察5分ルール撤廃求める
全国保険医団体連合会(住江憲勇会長)は四日、開業医が診察に五分超の時間をかけないと外来管理加算(五百二十円)を算定して請求できない「五分ルール」の影響をまとめました。診療所(二十床未満の医療機関のこと)を経営する開業医の場合、導入前の三月に比べると、四月の同加算算定率が大幅に下がり、平均で月七万五千四百十一円の減収になったといいます。
調査は全国の三千八百四十三の医療機関が対象。同加算は二〇〇八年度診療報酬(医療の値段)の改定で導入。診療所や二百床未満の病院の医師が、再診に訪れた外来患者を診察した場合、再診料(診療所七百十円、病院六百円)に加えて算定されます。
調査によると、診療所の同加算の算定率(再診料算定回数に占める外来管理加算算定回数の割合)は、三月の59%から四月の45%に14ポイント低下。診療科ごとの算定率をみると、皮膚科が24ポイント低下と最も低下幅が大きく、小児科も20ポイント低下、産婦人科は18ポイント低下しています。
調査は「患者が窓口負担を気にして“薬のみ”の受診が増えており、大きな病気を見逃すことにつながる」、「診療記録に時間がとられ、患者の待ち時間が多くなった」など、同ルールの弊害を指摘する開業医の声も紹介。地域の「医療崩壊」を加速するとして、同ルールの撤廃を求めています。
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