2008年7月5日(土)「しんぶん赤旗」

イラク協定

民間軍事会社職員の免責

米、批判受け取り下げ


 【カイロ=松本眞志】イラクのゼバリ外相は二日、米国が、駐イラク米軍地位協定案で要求していた民間軍事会社職員の免責特権を取り下げたと発表しました。同協定がイラクの主権を侵害し、占領を永続化させるものだというイラク国内での批判を受け、米側が一定の譲歩をしたものとみられます。

 米側は協定交渉のなかで、ブラックウォーター社などイラク国内で非難を浴びる行為を繰り返してきた民間軍事会社職員の免責特権を要求してきました。

 ロイター電によると、このほかにもゼバリ氏は「米代表は最近、地位協定案の多くの困難な問題について柔軟性を示すようになった」と発言。複数のイラク高官が、イラク国内での米軍の軍事作戦についても、米とイラクの共同委員会が事前審査することになると説明しています。

 またイラク国内の反対勢力が交渉の透明化を要求するなかで、ゼバリ氏が協定案をイラク連邦議会で審議するよう約束する状況も生まれています。

 しかし米側は、米軍戦闘部隊の免責特権は引き続き要求し、イラク人拘束権にも固執、交渉は難航しています。



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