2008年7月4日(金)「しんぶん赤旗」

共産党の学費提言

進学の夢を奪うな

私教連・日高教と石井副委員長が懇談

午前5時からバイト→授業→バイト→深夜帰宅…


 日本共産党の石井郁子副委員長・衆院議員は三日、全国私立学校教職員組合連合と日本高等学校教職員組合を訪れ、党の「学費提言」などについて懇談しました。


 石井氏は「学費提言」が経済的理由で進学をあきらめる若者をなくすための緊急策だと紹介。公立高校は減免対象を年収五百万円(四人世帯)に引き上げ、私立高校は年収五百万円以下の世帯は全額免除、年収八百万円以下の世帯は一部減額となる直接助成制度を提案していると話し、「国民的運動にしていきたい」と述べました。

 私教連からは小村英一委員長らが応対し、提言について「積極的なものだと受け止めている」と述べました。私教連の調査を示し、経済的理由による中退・滞納の実態が深刻化していると話しました。私学助成、学費などの公私間格差の是正について話し合われました。

 日高教からは北野庄次委員長らが応対。提言について「世論にしていける情勢だ」と述べました。日高教の調査を示し、授業料減免や滞納している人が増加していることや滞納を理由にした退学処分が急増していることへの憂慮を表明しました。

 両団体とも今後、学費問題で共同を強めていこうと確認されました。

高学費なくせ

あすシンポ

 全日本学生自治会総連合(全学連)は経済的な理由で学べない状況を改め、世界でも異常な高学費で苦しむ学生をなくそうと、国会要請(四日)と「学費・教育費シンポジウム」(五日)を行います。シンポジウム後は多くの人に訴えるためにアピールウオークをします。

 学費・教育費シンポジウムでは、全学連の大嶋祐介委員長、「奨学金の会」の三輪定宣会長(千葉大学名誉教授)、新日本婦人の会の米山淳子事務局長、鈴木敏則氏(定時制高校の先生)などがパネリストとして参加します。

 シンポは5日(土)午後1時半開始、東京大学駒場キャンパス11号館1106教室(京王井の頭線駒場東大前駅徒歩1分)。全学連電話042(572)6011、メール zengakuren@infoseek.jp


社会問題にしたい

 兵庫県からシンポジウムに参加する学生(20)の話 奨学金とアルバイト代を生活費に充てています。バイトは週に五日ですが、昨年に比べれば楽です。昨年は午前五時からバイトで、そのまま大学へいき、授業が終わったらバイトへ、帰宅は午後十一時半でした。授業中に寝てしまうことが多く、勉強に集中できませんでした。

 当時は自分のことで精いっぱいで「大学ってこんなもんかな」と思っていました。しかし、バイトが変わり余裕ができたことで学習会に参加でき、日本以外のほとんどの先進国は学費がほぼ無料であることを知りました。

 友達も大変です。両親が病弱なため、派遣社員のお兄さんが友達の学費を支えています。お兄さんは進学をあきらめました。経済的な理由で学業をあきらめなければならないなんておかしいと思います。すぐにでも奨学金は無利子に戻してほしい。

 「学費に苦しんでいるのは自分だけ」と感じている学生に、一人じゃないと知らせたい。シンポをきっかけに学費問題が社会的に大きく広がっていくことを期待しています。



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