2008年7月4日(金)「しんぶん赤旗」

諫早開門 決断迫る

有明訴訟原告ら

農水相に直接交渉


 長崎県諫早湾干拓事業の潮受け堤防の開門を命じた佐賀地裁判決をうけ、「よみがえれ!有明訴訟」の原告団・弁護団の代表らは三日、若林正俊農水相と面会し、判決を受け入れて控訴を断念し、開門を政治決断するよう迫りました。同農水相が原告団・弁護団の訴えを聞くのは初めてで、「現場の切実な声を聞かせてもらった。いろいろな地域の声を聞き、(判決を)総合的に検討したい」と答えました。

 要請したのは、長崎、佐賀、熊本、福岡各県の原告・漁民と弁護士、有明海漁民・市民ネットワークなどの支援者です。

 若林農水相は当初、「多忙」を理由に漁民らとの面談を拒否しました。

 漁民らは「有明海のいのち、漁民のいのちがかかっている」「なぜ大臣は被害者に会おうとしないのか」と強く要請し、同日午後、同農水相との面会が実現しました。

 面会では、四人の有明海沿岸の漁民が、漁業被害で自殺者も出ている実情などを訴えました。

 代表らは「深刻な漁業被害は待ったなしで開門を必要としている」との要請書を同農水相に手渡し、(1)控訴せず佐賀地裁判決を受け入れること(2)代替水源案を早急に検討すること(3)原告と協議の場を設けること―を求めました。

 要請には日本共産党の仁比聡平、紙智子両参院議員が同席しました。

 同原告団・弁護団は、福田康夫首相あての要請書も内閣府に提出しました。



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