2008年7月3日(木)「しんぶん赤旗」

米第四艦隊

再設置に南米反発

「進歩的政権への圧力」


 【メキシコ市=島田峰隆】中南米カリブ海地域で活動する米海軍第四艦隊が活動を開始するとされる一日を前後して、南米諸国は改めて警戒と反発を表明しています。米国は四月下旬、同艦隊を五十八年ぶりに再設置すると発表していました。

 中南米全体をカバーするテレビ局「テレスル」は六月三十日、「南米の左翼政権や国民運動が米国仕込みの新自由主義に反対する統合を進めているときに、米国防総省が介入している」と指摘しました。

 ブラジルの上院議員は同テレビで、「米国が監督する時代はすでに終わっている。われわれは世界経済の主要国の一つだ」「誰もわが国の主権を脅かすことはできない」と批判しました。

 アルゼンチンの有力紙クラリン六月三十日付は、「第四艦隊が中南米海域を再び監視」という記事を掲載。識者の分析として、再設置の狙いは天然資源の獲得と進歩的政権への圧力であり、「世界経済の構造変化が始まったときに再設置の決定が行われたのは偶然ではない」との見解を紹介しました。

 同記事で別の識者は、第四艦隊再設置は、南米諸国連合や南米独自の安保機構の動きへの対応だと指摘しています。

 ベネズエラのチャベス大統領は一日、アルゼンチンで開催中の南部共同市場(メルコスル)首脳会議で「米国がこの地域で何をしようとしているのか警戒しなければならない」と語りました。



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