2008年7月2日(水)「しんぶん赤旗」

イラク石油契約

米政府が直接関与

米紙 “批判あびる可能性”


 【ワシントン=鎌塚由美】米ニューヨーク・タイムズ紙六月三十日付は、イラクの石油開発で欧米石油大手とイラク石油省が契約を結ぶことをめぐり、この契約がイラク政府の自主的な判断だとしていた米政府が、実際には直接関与していたことが明らかになったと報じました。

 同紙は、「米国務省、商務省、エネルギー省、内務省からのアドバイザーが、イラク石油省と作業するよう派遣」され、これらのアドバイザーが「契約書の定型書式を提供し、契約案への詳細な提言をした」と報道。「米政府高官」の話として、石油契約への米政府の直接関与を指摘しました。

 また、米国際開発庁(USAID)は、「ワシントンの民間コンサルタント会社と契約し、石油省や他のイラク政府機関に助言」しているといいます。

 同紙は、米政府は「イラクが石油の恵みをどう管理すべきかという問題では注目されることを避け、決定はイラク政府にゆだねられるべきだと主張してきた」と指摘。今回の直接関与の発覚は、批判を呼び起こす可能性があると述べました。

 米国務省のケーシー報道官は三十日、ニューヨーク・タイムズ紙の報道について、「イラク石油契約の決定に米国は関与していない」と否定しながらも、「イラクのすべての省庁に技術的助言をする」ことは認めました。



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