2008年6月30日(月)「しんぶん赤旗」
ゆうPRESS
労働組合って心強い
給料が最賃以下/1カ月で解雇/残業代不払い…
広島青年ユニオン 「全国青年大集会08」成功へ行動開始
10月5日に開かれる「全国青年大集会2008」(東京・明治公園)を成功させるため、広島青年ユニオンは、学習交流会や青年の労働実態アンケート調査などに取り組んでいます。(菅野尚夫)
広島青年ユニオンは、2004年6月に結成され、昨年の全国大集会には1人しか参加できませんでした。今年はもっと多くの参加者をと、民主青年同盟広島県委員会と共同でよびかけ、4月27日、「青年大集会を成功させる会」を結成しました。
街頭での労働実態アンケート調査、学習会の開催、青年大集会の宣伝などに取り組んでいます。労働実態アンケートはすでに50人以上集まっています。
「昨年の大集会に参加してたたかう勇気を得ました。今年は広島からたくさんの青年が参加できたらいい」と話すのは、石関直一さん(21)=仮名=です。
生きる不安
石関さんは高校を卒業した19歳のとき、1カ月働いただけで解雇された苦い体験があり、広島青年ユニオンに加入しました。
当時、JR駅構内の店でアルバイトをしていました。給料が最低賃金以下だと指摘したら、「業務能率が著しく劣っている。改善の余地がない」という理由で解雇されました。「納得いかなかったのですが、当時はアルバイトにも労働者の権利があるとは知らなかったので、言われるままに辞めました。つらくて、うつうつとしたときもあり、生きていけるのか不安でした」
昨年4月、「きつい仕事だけれどもやってみないか」と知人に紹介され、広島市のゴミ収集車の作業員の仕事に就きました。
当初は、1カ月働いて、次の1カ月は休みというサイクルで不安定なアルバイトでした。カラスがゴミを食い荒らしたり、夏場にはウジがわくなど汚れのひどいきつい職場です。日給は9000円。
今年4月からは1年契約になりました。それでも、年収は200万円未満。「市民に役立つ大切な仕事ですが、給料が安くて自立して暮らせません」
石関さんは、1年契約では「来年も再雇用されるのか分からず不安。親身になって相談に乗ってくれる仲間がいれば心強い」と、組合に入ったメリットを話します。
悩みは深く
ユニオン委員長の竹森美貴さん(30)も非正規の仕事をしてきました。現在も法律事務所でアルバイトとして働いています。
竹森さんは、ゲームセンターで3年間アルバイトの仕事をしたことがあります。時給850円。月収10万円そこそこでした。アルバイトでも有給休暇を取ることができることを知ったのは労働学校(広島県労働者学習協議会主催)を受講してからでした。
組合員の抱えている問題は、どれもが深刻です。地元のコンビニで働く女性は、広島県の最低賃金時給669円より低い時給620円で働いています。ユニオンとして改善させるための対応を検討しています。
ガス器具販売店で営業補佐の仕事をしている男性正社員(28)は、60時間の残業をしても40時間分しか残業代が支払われません。少しでも上司の意に沿わないと、頭ごなしに怒鳴られ、「もう仕事するな」などとパワーハラスメントを受けました。眠れなくなり、朝出勤するのがつらくなって青年ユニオンに相談しました。「相談できて少し気持ちが楽になった。相談できなかったらうつ病になったと思う」といいます。
「多くの青年は、こうした働かされ方が労働基準法に違反することを、ユニオンに参加して学習するまで知りませんでした。要求をまとめて社会に働きかけ、改善させるように運動していきます」と、竹森さん。
ひきつづき労働実態アンケート調査に取り組むとともに、首都圏青年ユニオン書記長の河添誠さんを招いての講演会の開催など、10月の大集会にむけて活動をつよめています。
労働実態アンケートに寄せられた声
★コンビニでアルバイトする女性(22) 時給が640円。安すぎます。週3日か4日しか働けず、月12日働いて6―7万円しかもらえません。
★製造業で正社員として働く男性(22) 残業しても残業手当がでません。有給休暇が取れません。
★介護福祉士の女性(30) 拘束時間が長く、介護利用者への家にいく往復の時間は時給が出ません。
★サービス業で働く女性(25) 残業代が出ても手取りの月収は16万円ぐらいです。有給休暇は取りにくく辞める時にまとめてとろうと思っています。
お悩みHunter
離婚ひきずって結婚に迷いが
Q 付き合っている彼から、結婚を申し込まれました。私は2年前、夫から暴力をうけて離婚し、「もう男はこりごり」「二度と結婚したくない」と思いました。今の彼は、やさしく、いっしょにいると癒やされるのですが、結婚となると、考えてしまいます。(26歳、女性、東京都)
急がず不安を率直に話して
A 暴力は、身体の痛みや傷だけでなく、人間としておとしめられたという屈辱感と強い恐怖心・不信感から生じる心の傷を残します。その傷は、身体の傷が治ったあとも、ずっと心の奥底に潜んでいて被害者を苦しめ続けるのでしょうね。
私もセクハラやDV(ドメスティックバイオレンス)などの相談で、被害者の深い深い心の傷に触れるたびに、心の底から「暴力」を憎みます。
でも、あなたは今の彼に出会えてほんとうによかったですね!
あなたが、彼のことを信頼して心を許すことができるからこそ、彼といっしょにいると癒やされるのでしょう?
あなたが彼に感じているその気持ちこそが、過去に前夫から受けた心の傷をゆっくりと治してくれることでしょう。
だから、急ぐ必要はありません。心の傷を癒やすにはとても長い時間がかかるのです。あなたの中に迷いがあるのであれば、「結婚」という形にこだわる必要は全くないと思います。
彼と過ごす時間を増やして、次に一緒に暮らしてみる、少しずつ前に進めばいいではないですか。(ときには後戻りしても大丈夫。だって、彼に癒やされているあなたは、すでにかなり前進してますよ)
あなたがかかえている不安を彼に率直に話して理解してもらうことも大切です。あなたの苦しみ・不安を共有してくれる彼だったら、きっとあなたが自然に結婚したいと思うまで待ってくれると思いますよ。
弁護士 岸 松江さん
東京弁護士会所属、東京法律事務所勤務。日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会委員。好きな言葉は「真実の力」。