2008年6月28日(土)「しんぶん赤旗」

英再生エネルギー率

20年までに15%に

21兆円を拠出


 【ロンドン=岡崎衆史】ブラウン英首相は二十六日、地球温暖化防止とエネルギー安定確保のための新たな計画を発表し、今後十二年間で千億ポンド(約二十一兆円)を拠出し、二〇二〇年までに全エネルギーの15%を再生可能エネルギーでまかなうと表明しました。これにより、電力の30%、暖房の14%、運輸燃料の10%が再生可能エネルギーによって供給されるといいます。

 首相は、目標達成のため、二〇二〇年までに、約三千の洋上風力発電施設を新設し、最大で再生可能電力の半分を生みだすと表明。また、再生可能エネルギー分野で、十六万の雇用が生み出されると見積もりました。

 目標が達成されれば、年間二千万トンの二酸化炭素が削減され、天然ガスの輸入を最大16%減らすことができると計算しています。

 英国の全エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合は、現在わずか2%です。

 欧州連合(EU)は二〇二〇年までにEU全体で20%のエネルギーを再生可能エネルギーでまかなうとしており、英国の目標はEU目標達成に向けたものです。

 ブラウン首相はまた、新築の民家の二酸化炭素排出量を二〇一六年からゼロにし、商業用ビルについても一九年からゼロにすると述べました。

 さらに、今後三年間で、五百万世帯が断熱材の設置を、三百万の世帯が節電商品の供給を、無料もしくは割引価格で受けられるようにすると約束しました。

 一方、ブラウン首相は、老朽化した原発に代わり、新たな原発の建設を進めることも改めて表明しました。



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