2008年6月28日(土)「しんぶん赤旗」
核兵器なくす議論を
世界平和7人委 サミットに要望書
世界平和アピール七人委員会は、二十七日、七月の洞爺湖サミット参加国首脳に対して、環境対策や核兵器禁止での積極的決定を求める要望書を発表し、首相官邸および各国大使館に届けました。
記者会見したメンバーは口々に核問題について強調。武者小路公秀・大阪経済法科大学教授は「サミットは核拡散防止だけでお茶を濁そうとしているが、本当は核兵器をなくさなければいけない」と指摘し、小沼通二・慶応大学名誉教授は「世の中は変わっており、核兵器をなくせるわけがないというのは固定観念にすぎない。私たちは夢だけ語っているつもりはない」と述べました。
作家の井上ひさし氏は、核弾頭が二十年間で七万発から二万七千発に減ったことをあげ「被爆者をはじめ日本人ががんばったことも核兵器が減った大きな原因です。そこに自信を持ってほしい」と話しました。
要望書は(1)温暖化防止など環境対策は弱者の視点で(2)「反テロ」に名を借りた戦争や人権抑圧に反対する(3)核兵器保有国は削減義務の履行を、の三点を求めています。核問題では、オーストラリアのケビン・ラッド首相が、九日に京都で発表した核不拡散・軍縮国際委員会の設立提案を支持・協力するよう求めています。
世界平和アピール七人委員会 ノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士らが参加して一九五五年に結成。平和と核兵器廃絶を中心課題に今回を含め九十二のアピールをしてきました。現メンバーは武者小路公秀、土山秀夫、大石芳野、井上ひさし、池田香代子、小沼通二、池内了の七氏。
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