2008年6月26日(木)「しんぶん赤旗」

終末期相談支援料の「凍結」

後期医療 破たん示す


 七十五歳以上を別建てにした診療報酬は、政府・与党が「後期高齢者の心身の特性にふさわしい医療が受けられる」などと、後期高齢者医療制度の“売り物”にしていたものです。

 「後期高齢者終末期相談支援料」については、「ご本人の希望に沿って看(み)取ってもらえる医療」(自民党のQ&A)などと大宣伝していました。にもかかわらず、実施からわずか三カ月で凍結に追い込まれるという事態になったことは、制度の破たんぶりを改めて示しています。

 「支援料」に対しては、国民から「七十五歳を過ぎれば、治療を打ち切って“早く死ね”ということか」などの批判が噴出。週刊誌などでも「“安楽死”を勧める医療だ」(『週刊朝日』五月十六日号)と取り上げられました。

 実際、厚労省の担当者は解説書のなかで「後期高齢者が亡くなりそうになり、家族が一時間でも、一分でも生かしてほしいと要望して、いろいろな治療がされる。それが、かさむと五百万円とか一千万円の金額になってしまう」などと指摘。「延命治療」を制限して、こうした医療費を抑え込みたいという本音を示しています。

 厚労省の調査では、四月に同支援料を請求した国立病院は一つもありませんでした。

 この日の中医協で舛添要一厚労相は、終末期医療の重要性を指摘。「来るべき時には、全国民に広げることになると確信している」と述べ、あくまでも一時的な凍結だとの考えを強調しました。

 同相は参院での後期高齢者医療制度廃止法案の可決を重く受け止めるといいました。ならば、一時的な「凍結」で終わらせるのではなく、制度そのものの廃止に踏み出すべきです。(秋野幸子)


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