2008年6月25日(水)「しんぶん赤旗」
大阪府予算案
府民向け一律削減
高速道・関空関連は継続
大阪府の橋下徹知事は二十四日、「大阪維新プログラム案」で掲げた千百億円の「収支改善」策を盛り込んだ二〇〇八年度予算案を発表しました。
私学助成や中小企業向け融資、人件費の大幅削減をはじめ府民施策を軒並み削減しながら、高速道路建設など財政危機を招いた主な要因である大型開発には予算を計上しました。
予算案は四月―七月までの暫定予算を吸収したものとなっており、今後八年間で七千七百億円の歳出削減を行う初年度にあたります。一般会計は二兆九千二百二十六億一千五百万円(〇七年度当初比10・2%減)で八年ぶりに三兆円を割り込みました。特別会計とあわせた合計は四兆一千五百四十七億三千四百万円(同千四百三十五億四千二百万円減、96・7%)。
一般施策では私学助成で四十二億円、中小企業向け制度融資で千二百億円をはじめ千五百六十二億円を削減しています。障害者など四つの福祉医療費助成制度や国際児童文学館、上方演芸資料館「ワッハ上方」、大阪センチュリー交響楽団、男女共同参画推進財団、非常勤講師など府民むけ予算は縮減して継続しましたが、来年度以降、廃止や縮小など再構築するものがほとんどです。
人件費は職員給料の平均12%カットや都道府県で初めてとなる退職金の5%減額を盛り込んだ四百八十二億円もの削減で、月額給与は全国最低となります。
実質収支は三十六億円の赤字。「原則発行しない」としていた府債(借金)は、退職手当債活用の百八十五億円を含め二千六百七十四億円の府債を発行しました。
国の関西空港連絡橋買い取りなど関空関連の負担で二十六億円、阪神高速道路関連に百五億円、安威(あい)川ダム、槇尾川ダムは本体工事を延期しましたが進行中の事業に百六億円、箕面森町も百五十七億円を支出しています。