2008年6月21日(土)「しんぶん赤旗」

最低賃金

高卒初任給水準に

円卓会議 5年後、時給68円増も


 政府と労使代表でつくる「成長力底上げ戦略推進円卓会議」は二十日、最低賃金の五年間の引き上げ目標について、生活保護基準を下回らないこととともに、「小規模事業所の高卒初任給の最も低位の水準」をめざすことで合意しました。

 小規模事業所の定義は意見が分かれたため明示されませんでしたが、統計では高卒初任給の最低水準は、時給換算で七百五十五円。現行最賃の平均は六百八十七円で、合意をあてはめると六十八円のアップとなります。労働界が一致する「時給千円」や、生活保護基準を下回らないとした改正最賃法を十分満たしたとはいえないものの、従来にない引き上げにつながる可能性がある内容です。今後、初任給が上がれば目標水準も上昇。二〇〇九年度末に目標のあり方について再検討します。

 会議では、労組側が高卒初任給の「平均水準」をめざすよう主張。小規模事業所とは、統計のある「十人から九十九人」の企業だとのべました。使用者側は、目標明示に反対する立場から、低くなる可能性がある「従業員二十人以下」を主張し合意できませんでした。

 今月末にも開かれる中央最低賃金審議会で目安を設定し、各地方の審議会が金額を決めます。昨年は平均十四円で従来にない引き上げとなりました。今年は、生存権規定などが盛り込まれた最賃法改正を受けて、労働側は、時給千円をめざし昨年を上回る大幅引き上げを求めています。


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