2008年6月20日(金)「しんぶん赤旗」

社会保障費削減撤回を

反貧困ネット、首相に要望


 反貧困ネットワークの宇都宮健児代表、湯浅誠事務局長ら七人が十九日内閣府を訪れ、「骨太の方針二〇〇八」で示す社会保障費二千二百億円の削減方針を撤回し、人々の生活に寄り添った政治を行うことを求める福田康夫首相あての要望書を提出しました。

 東京都内で会見し、ネットワークに集う団体代表や個人が生活実態をのべました。

 全身の筋力が低下して嚥下(えんげ)や発語困難も起こす難病・重症筋無力症を患う男性は、症状が重くなっても障害年金を受給できないなど、制度のはざまに置かれた難病患者の実情を話しました。「多くの患者が痛みや発作を我慢し命を削って働いている。一方、就職の面接も、福祉制度の活用も断られてしまう仲間もいる。削減は、私たち生身の人間の命を削ることだ」とのべました。

 東京都練馬区在住の男性は十三年前に事故で左ひざ上を切断、両手指もほとんど無くしました。障害年金と貯金でくらしていたものの所持金が二千円となり、福祉事務所を訪れた際の最初の言葉が、「あなたは働けないのですか」だった体験を涙ながらに話しました。

 板橋区の生活と健康を守る会会員の男性(81)は、自分と妻の合計の保険料が、後期高齢者医療制度で年六万五千円から年十三万一千七百円になることをのべ、後期高齢者医療制度の廃止を訴えました。



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