2008年6月18日(水)「しんぶん赤旗」
築地移転地土壌汚染
土で囲いタール流す
東京ガス元社員証言で追及
小竹都議
東京都が築地市場(中央区)の移転予定地としている江東区豊洲地区の高濃度の土壌汚染が、都市ガスを製造していた東京ガス工場(一九五六―八八年操業)のずさんな処理工程によってもたらされたことが十七日、元社員の証言で明らかになりました。日本共産党の小竹ひろ子都議が都議会本会議で元社員の証言を紹介し、移転計画を撤回するよう迫りました。
本紙の取材に対し、五七―七六年に同工場で勤務していた元社員の男性(69)は「この場所では、土を盛って土手の囲いをつくり、そのなかに石炭からガスを取り出した廃タールをリヤカーで運んで、ためていた。当時は、下にシートを敷く発想はなく、囲いの中にそのまま流し込んでいた」と話しています。
小竹氏は質問で、土壌と地下水が高濃度に汚染された土地に、生鮮食料品を扱う市場を移転させることは無謀だと批判。都として事実を調べ、都民に明らかにするとともに、築地で働く業者・労働者、都民の声を聞き、移転を中止し現地で再整備するよう迫りました。
都の比留間英人中央卸売市場長は「東京ガスに照会したところ、タールスラッジ(沈殿物)を地面の上で直接、木くずと混ぜる作業をしたという話は聞いていないと回答があった」と答えるにとどまりました。