2008年6月18日(水)「しんぶん赤旗」
無謀計画 都が実行迫る
新銀行問題 録音記録示し追及
小竹都議
東京都が過大な融資目標など無謀なマスタープラン(基本計画)を押し付けた結果、破たん状態に追い込まれた新銀行東京。都が新銀行側にプラン通り実行するよう迫った「事業計画ブリーフィング」の録音記録が存在していることが十七日、明らかになりました。日本共産党の小竹ひろ子都議が都議会本会議で入手した録音CDを示し、調査を要求しました。
問題のブリーフィングは、新銀行が開業(二〇〇五年四月)する前の〇四年十一月から〇五年一月にかけて実施。共産党都議団が先に入手した新銀行側のメモによると、津島隆一新銀行設立本部長(当時。現・新銀行代表執行役)らが、計画を修正しようとした旧経営陣に都のマスタープラン通りに実行するよう迫る内容でした。
小竹氏が示したのは、〇五年一月二十日に行われた会議の録音。メモでは、都の出席者として津島氏のほか、関敏樹企画担当部長、吉田長生参事(いずれも当時)ら都幹部職員の名前が記されています。
小竹氏は、元行員がテレビに実名で登場し実態を告発したほか、共産党都議団の調査で、津島氏らがメモに記載された日に新銀行に赴いたことが都の開示資料でも確認されたと指摘。すべての記録・事実を明らかにするよう迫りました。
石原慎太郎知事は、「新銀行を再建することが私の責任」と述べるだけで、調査要求については回答しませんでした。
小竹氏が再質問で石原知事にCDを渡し、「ごまかすのはいいかげんにしなさい」と批判。調査を重ねて求めましたが、石原知事は答弁に立たず、佐藤広産業労働局長が「ご指摘の文書は保有していない」と代わりに答弁したため、共産党都議団が抗議し、議場が一時、騒然となりました。