2008年6月18日(水)「しんぶん赤旗」
五輪整備費1兆3000億円超
シカゴ、リオの3倍にも
東京都議会で小竹議員追及
東京都(石原慎太郎都知事)が招致を目指している二〇一六年のオリンピックの競技施設やインフラ整備の費用が都のごく控えめな計算でも一兆三千億円を超し、他の立候補三都市の数倍に達することが十七日、明らかになりました。日本共産党の小竹ひろ子都議が同日の都議会代表質問で追及し、「知事は都民のくらしそっちのけで、トップダウン事業に熱中している」と批判しました。
小竹氏は、都オリンピック招致委員会が立候補申請にあたりIOC(国際オリンピック委員会)に提出した申請ファイルによると、都のインフラ整備費が一兆五百八十億円に上ると指摘。東京と同じく候補地となったスペイン・マドリードを上回り、米国シカゴ、ブラジル・リオデジャネイロの三倍だと述べました。
競技施設整備費は二千四百六十三億円と四都市の中で最も高く、都が掲げる「世界一コンパクトな五輪」とは正反対の実態となっています。
小竹氏は、これだけではなく、申請ファイルで除いた外環道路などに二兆六千億円が必要だと指摘。オリンピックスタジアムやメディアセンターの用地取得費、同センター建設のための築地市場の移転予定地である豊洲の土壌汚染除去費などを含めると施設の整備に二兆円近くかかるとし、全容を明らかにするよう追及しました。
石原知事は「オリンピックの有無にかかわらず、国際都市間競争に勝つための必要な投資だ」と述べるだけで、総額を明らかにしませんでした。
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